政府が22日に閣議決定した2017年度予算案では、公明党の主張を反映し、特に教育・文化施策を充実させる内容となりました。そのポイントなどを、党文部科学部会の富田茂之部会長(衆院議員)に聞きました。

 ――教育予算が充実することになりました。
 富田 公明党は「教育の党」として、奨学金の拡充をはじめとする教育にかかる経済的負担の軽減や、教職員数の確保など学校の基盤強化を訴えてきました。2012年の自公連立政権発足以降もこれらを粘り強く主張し、政府としても教育を「未来への投資」と位置付けて力を入れる方針となりました。その結果が来年度の教育予算の充実という形で実を結びました。
 ――返済不要の給付型奨学金がついに実現します。
 富田 17年度は約2800人の枠で、本格実施となる18年度からは約2万人規模で実施されます。住民税非課税世帯から大学や専門学校などへの進学者のうち、高校など学校の推薦を受けた人に、毎月2万〜4万円が給付されます。公明党の提案で、児童養護施設出身者などには入学時に24万円が追加給付されます。
 さらに17年度からは、無利子奨学金の貸与人数が拡大します。住民税非課税世帯を対象に成績要件が実質的に撤廃され、要件を満たしていても予算の関係で借りられない「残存適格者」も解消されます。大学授業料減免の枠も国立で2000人分、私立で1万人分広がります。一方、卒業後の所得に応じて奨学金の返還額を変える新たな「所得連動返還型奨学金」も17年度から導入されます。
 今回、進学を後押しする制度が大きく拡充できました。今後も「給付型」を大きく育てるとともに、新たな「所得連動返還型」の対象拡大、奨学金を巡る相談事業の充実などをめざします。
 ――給付型創設への公明党の取り組みは。
 富田 1969年に国会質問で提案したのを皮切りに一貫して主張し、連立政権の中でも訴え続けてきました。
 今年4月には、党給付型奨学金推進プロジェクトチームとして、安倍晋三首相に対し、教育・研究職の奨学金返還免除廃止で生まれる予算枠の活用という具体的な財源案を示しながら創設を迫り、首相は理解を示しました。その後、政府・与党内には慎重論もありましたが、6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」に「創設」の2文字を明記させました。制度設計においても財源を含め、公明党の考えを随所に反映させることができました。
 ――他の教育施策では。
 富田 「経済的負担の軽減」へ、私立小中学校の授業料負担軽減(年収400万円未満の世帯に年10万円)や高校生等奨学給付金の充実、幼児教育の段階的無償化に向けた補助拡大などが盛り込まれました。
 「学校の基盤強化」では、発達障がいのある子どもの通級指導などを担う教職員数について、不足する現状に対応するため、対象児童・生徒の人数に応じて自動的に決まる「基礎定数化」が導入されます。政府・与党内で一度は見送りへと傾きかけていましたが、公明党が財務相らとの交渉を重ねた結果、決定しました。
 さらに、いじめ・不登校対策、夜間中学の開設支援、国立大学の運営費交付金増額なども計上されました。
 ――文化芸術関係の予算については。
 富田 財務省からは当初、減額の方向性が示されましたが、公明党が強く訴え、最終的には3億円増の1043億円となりました。公明党の主張で2003年度以降、確保し続けていた1000億円の大台を守ることができました。
 公明党は「教育のための社会」「文化芸術立国」の実現へ、これからも全力を挙げていきます。
 『教育・文化予算のポイント』
 ○ 「給付型」奨学金を一部先行実施
 ○ 「無利子」の貸与人数拡大
   ・低所得世帯の成績要件撤廃
   ・残存適格者を解消
 ○ 国立・私立大の授業料減免枠を拡大
 ○ 私立小中の授業料負担を軽減
 ○ 高校生等奨学給付金の充実
 ○ 幼児教育の段階的無償化へ補助拡大
 ○ 通級指導などの教員数を基礎定数化
 ○ 国立大学運営費交付金を増額
 ○ 文化芸術に3億円増の1043億円



公明新聞    2016年12月27日 付け