困窮学生に10万円給付
公明、学業断念防止へ提言/文科相「早急に対応」と表明
■約50万人(大学院生も含む)、予備費を活用
公明党の新型コロナウイルス感染症対策本部長の斉藤鉄夫幹事長と浮島智子文部科学部会長(衆院議員)は8日、文科省で萩生田光一文科相と会い、感染拡大の影響で経済的に困窮する学生の学業継続断念を防ぐため、2020年度補正予算の予備費を活用して1人10万円の現金給付を行うよう求める緊急提言を申し入れた。萩生田文科相は「思いは同じだ。早急に対応したい」と表明した。
緊急提言では給付対象として、住民税非課税世帯約10万人、それに準ずる世帯約10万人、中間所得層でアルバイトにより学業と生活に必要な収入を得ている約24万人を含む大学生や専門学校生、大学院生などを挙げ、約50万人に給付することを想定している。
席上、斉藤幹事長は、500億円規模となる給付の財源として、予備費の活用を提案。萩生田文科相は、予備費の活用で財源のめどが付けられるとの認識を示すとともに、給付の対象に大学生などだけでなく大学院生を含めるよう提言していることについて「大変にありがたい」と評価した。
斉藤幹事長は申し入れ後、記者団に対し、給付について「急を要するので1週間の間にスタートすると思う」と述べ、政府の迅速な作業に期待を表明した。
申し入れに先立ち国会内で行った記者会見では、4月に開始した「高等教育無償化」などの枠組みで支援が行われてきたものの、「学生が置かれる環境の急激な悪化などに対応できなくなった」と指摘。アルバイトの解雇など突然の収入減による「学びの継続の危機を抱えている学生がたくさんいる」として、現金給付を急ぐ必要性を力説した。
また、非課税世帯の学生への給付では「少し幅をもって上乗せがあってもいいと考えている。文科省でしっかり制度設計をしてもらいたい」と述べた。
一方、申し入れの席上、浮島部会長は学生のアルバイトに関して、給付事務の手伝いや障がい児のオンライン学習のサポートなどで学生を雇っていくことも提案。萩生田文科相は「早急に進めたい」と応じた。