東京メトロの青山一丁目駅(東京都港区)で8月15日、盲導犬を連れていた視覚障がいの男性が電車にひかれ死亡した痛ましい事故を教訓に、駅の転落事故防止策が公明党の後押しで加速している。東京メトロは今月1日から、安全監視を強化するなどの再発防止策を開始。国土交通省も全国の主な鉄道事業者で構成する「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」を立ち上げ、障がい者団体からのヒアリングなどを実施した上で、年内に安全対策の中間取りまとめを行う予定だ。
 東京メトロの再発防止策は、利用者の見守りを徹底するため、1日からホームドアがない94駅のうち、対策が不十分な38駅で警備員を増員したり、配置時間を拡大。転落事故が発生した青山一丁目駅では、営業時間を通して配置された。
 また全駅員に対し、サービス介助士の資格を来年度中までに取得するよう促進。体が不自由な利用者への声掛けやサポートを定着させていく。改札口やホーム、駅事務室にいる駅員が携帯型無線機を装着し、情報を共有する取り組みも青山一丁目駅を含む3駅で試験導入した。
 このほか、社会全体で体が不自由な人らを見守る体制をつくるための啓発ポスターを作成し、東京メトロが管理する全駅で掲示した。
 一方、国交省の検討会では、ホームドアの設置前倒しなどのハード対策のほか、駅員による案内の充実などのソフト対策も含め、総合的な転落防止策を議論する。
 公明党は、青山一丁目駅の事故現場を調査し、障がい者への声掛けなどのソフト面を含め、再発防止策を東京メトロに要望。9月16日には日本盲人会連合と共に石井啓一国交相(公明党)に、速やかなホームドア設置や駅の安全監視員配置などを要望してきた。
 同29日の参院代表質問では、山口那津男代表がホームドア設置など駅の安全対策を要請し、同30日の衆院予算委員会でも石田祝稔政務調査会長が、転落事故の再発防止に向けた対応を重ねて政府に要望した。石田政調会長はホームドアの早期設置が難しい場合、ホームの内側をつえや足で判別できる「内方線付き点状ブロック」を全駅に整備するよう訴えた。
 石井国交相は、ホームドアについて、設置費用の助成や設置しやすい新タイプの開発支援を進め、「整備促進に取り組む」と強調。内方線付き点状ブロックは、利用者が1日1万人以上の駅への設置を実施しており、「引き続き必要な支援を行う」と回答している。


公明新聞   2016年10月04日  付け