建設従事者の安全健康確保法/経費の確実な支払い促す/一人親方保護へ 下請け関係の適正化も/政府が基本計画を策定
公共工事、民間工事を問わず、建設現場で働く人たちの安全と健康を確保するため、
労災保険料を含む安全衛生経費の確実な支払いや、一人親方の保護を国や自治体、企業に求める建設工事従事者安全健康確保推進法が先の臨時国会で成立した。
同法は公明党が推進した議員立法で、3月から施行される。
建設業の工事現場は、他の業種に比べ労災死亡事故の発生件数が多い。2015年には、全業種の中で最も多い327人が労災で亡くなっている。
推進法では、建設工事従事者の安全と健康の確保を最重視し、工事の請負代金や工期の適正化とともに、設計・施工段階で安全と健康に必要な措置を実施することを基本理念として明記した。
基本的な施策として、建設工事の請負代金に安全衛生経費が確実に計上されるよう、労災保険料を含む安全と健康に関わる経費を積算・明示し、下請け事業者へ確実に支払うことを促進。
さらに、一人親方の保護に向け、下請け関係の適正化と工事現場の安全点検の取り組みを促す。
一方、推進法では、国と都道府県に対し、建設工事従事者の処遇改善などの基本理念に従い、総合的な施策の実施を責務として明記。建設業者らには、国や都道府県に協力することを求めた。また、安全と健康確保に向けた基本計画の策定と閣議決定を政府に義務付け、必要な法制上、財政上、税制上の措置を講じるよう定めた。
公明党は、建設現場の労働災害から、働く人たちの安全や健康を守るため、推進法成立を強力に推進してきた。
自民、公明両党の与党日本建設職人社会振興議員連盟の中に法制化に向けたワーキングチームをつくり、関係団体とヒアリングを重ねて法案を策定。超党派の議員立法として先の臨時国会での成立に力を尽くした。
『素案づくりから公明尽力/日本建設職人社会振興連盟/小野辰雄理事長』
建設現場では職人の転落などによる労災死亡事故が多く、特に一人親方の労働安全の確保や職場環境の改善が大きな課題でした。
建設職人の安全と健康に関わる経費の支払い促進や、建設現場の安全点検の取り組みを促す内容が法律に盛り込まれたことを高く評価しています。また、国や都道府県による基本計画の策定とともに、政府による財政・税制上の必要な措置も明記されたことは大きな前進です。
公明党は、法律の素案づくりから力を尽くし、建設職人の処遇改善や地位向上に大きな役割を果たしました。今後も、若者が誇りと希望を持って建設産業に従事していけるよう、さらなる施策の展開を期待しています。
公明新聞 2017年01月13日 付け