医療崩壊全力で防げ !アビガン投与、希望者に。学生支援で授業料減免など必要

「医療崩壊全力で防げ !アビガン投与、希望者に。学生支援で授業料減免など必要 」
 衆院予算委員会は28日、安倍晋三首相と関係閣僚が出席し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策を盛り込んだ2020年度補正予算案に関する基本的質疑を実施した。公明党から斉藤鉄夫幹事長が質問に立ち、医療崩壊を防ぐため、治療薬として期待される抗インフルエンザ薬「アビガン」を希望者全員に投与するよう訴えるとともに、同ウイルスの検査体制強化などを訴えた。


 斉藤幹事長は、アビガンについて「希望する患者全てに投与できるようにしてもらいたい」と強く主張。


 これに対し安倍首相は「同じ認識を持っている」と述べ、医師が認めて希望する患者がいれば処方できるようにしたいとして、アビガンの200万人分の増産、備蓄を急ぐ考えを強調した。その上で、別の治療薬候補である「レムデシビル」の薬事承認に関して、「(緊急の場合、審査手続きを簡略化できる)特例承認を進めている」と答えた。


 また斉藤幹事長は、医療現場では、同ウイルスの感染拡大によって患者のたらい回しや、感染症以外の患者の治療が滞ってきていると指摘。医療崩壊を防ぐためにも、陽性反応を確認するPCR検査体制を早急に強化するとともに、「地域で医療機関ごとの役割分担を明確にすることが重要だ」と訴えた。


 安倍首相は、PCR検査体制を1日2万件に増強させていくとした上で、「PCR検査センターを設置し、歯科医師にも協力をいただきながら検体採取数を増やしていきたい」と強調。地域の実情に応じて柔軟に使える「緊急包括支援交付金」の活用を推進し、「(医療体制強化に向け)都道府県の取り組みを強力に後押ししていく」と答えた。


■事業者向け広報分かりやすく


 中小企業・小規模事業者への事業継続支援について斉藤幹事長は、緊急経済対策の中に持続化給付金の創設や雇用調整助成金の拡充、税金の減免措置など数多くの対策が盛り込まれていると指摘。「利用者の立場に立って分かりやすい広報を」と訴えた。梶山弘志経済産業相は「ホームページやウェブ動画、SNS(会員制交流サイト)を通じて周知を図っていく」と答えた。


 さらに斉藤幹事長は、アルバイトで収入を得て生活費や学費などを賄っている学生に対する支援の必要性を強調。「アルバイト先にも雇用調整助成金が適用されることの周知徹底や、授業料の納付猶予、減免にも全力を挙げてもらいたい」と強く要望した。


 1人当たり10万円を一律給付する「特別定額給付金」については、配偶者などからの暴力(DV)で避難している人なども含めて全ての人に確実に給付が実施されるよう政府に強く要請。その上で生活保護受給者について、給付金を受け取ったことによって生活保護費が減額されたり、生活保護の要件から外されることがないように「給付金は収入認定から外すべきだ」と主張した。これに対し加藤勝信厚生労働相は「収入認定から除外する」と答えた

公明新聞 2020/04/29 1面 掲載