2017年4月からの消費税率10%への引き上げと同時に軽減税率を導入することや法人税改革などを柱とする16年度税制改正関連法案が9日、参院本会議で審議入りし、公明党の竹谷とし子さんが質問に立った。
竹谷さんは軽減税率について、「世界の多くの国々で導入されている標準的ともいえる制度だ」と強調。「社会保障のためにやむを得ない税率引き上げでも、せめて食料品などは低く抑えて」との庶民の願いに応える形で導入が決まった経緯に触れ、「痛税感を和らげ、税率引き上げ時の景気への影響を抑える効果も期待できる」と力説した。
社会保障と税の一体改革関連法で、軽減税率とともに低所得者対策の選択肢として示された給付つき税額控除に対しては、「給付の前提となる所得や金融資産の把握が、制度上も人員上も困難。このことは民主党政権下の財務大臣の発言でも明確で、1年後の導入は非現実的だ」と述べた。
安倍晋三首相は、軽減税率の利点として「消費税負担を直接軽減することで逆進性を緩和しつつ、買い物の都度、痛税感の緩和を実感できる」と答弁した。
一方、法人税改革について竹谷さんは、租税特別措置の見直しなどで財源を確保した上で、法人税率を引き下げる内容となっていることから、「妥当な決定であり、消費税率引き上げを引き合いに出しての批判はまったく当たらない」と指摘。
その上で、「経済再生には、法人税率引き下げだけでなく、あらゆる方策が必要」と強調し、労働者の賃上げや中小企業の利益増大に向けた取引条件の改善、設備投資などを積極的に促すよう求めた。
安倍首相は、引き続き賃上げや設備投資を経済界に促し、中小企業の取引条件の改善や最低賃金の引き上げなども進めるとした。
公明新聞:2016年3月10日(木)付