肝がん重度肝硬変患者負担軽く
公明主張で12月から
入院医療費助成
年収370万円未満4カ月目以降は月1万円
B型・C型肝炎ウイルスによる肝がん・重度の肝硬変患者の入院医療費を助成する新制度が、12月からスタートする。厚生労働省によると、全国で約7000人の医療費が助成される。
B型・C型肝炎ウイルスによる肝がん・重度の肝硬変患者の入院医療費を助成する新制度が、12月からスタートする。厚生労働省によると、全国で約7000人の医療費が助成される。
同制度は年収が約370万円未満の患者が対象。過去1年間の入院医療費について、高額療養費の限度額を超えた月が3カ月以上に達した場合、4カ月目以降で限度額を超えた月は自己負担月額が1万円になる。
対象者が70歳未満であれば、3カ月目までの限度額は最大で月5万7600円。4カ月目以降は、通常であれば「多数回該当」として同4万4400円に軽減されるが、新制度によって自己負担はさらに軽減される。
この制度は「治療研究促進事業」で、患者の臨床データが今後の研究に活用される。制度の利用には、研究への同意書や、診断書(臨床調査個人票)、入院記録票のコピーなどを都道府県の窓口に提出し、「参加者証」の交付を受ける必要がある。これを病院の窓口で提示すれば、助成が受けられる。
公明党は2017年8月、厚労相に提出した18年度予算の概算要求に向けた重点要望などで、ウイルス性肝がん・肝硬変患者への医療費支援を主張。これを受け、厚労省は肝がん患者の入院医療費助成を打ち出したが、肝硬変患者が漏れていた。そこで公明党は、肝硬変患者も対象にするよう訴え、18年度予算に、重度肝硬変患者も対象にした今回の新制度を計上させることができた。
公明党 肝炎対策プロジェクトチーム座長 桝屋 敬悟 衆院議員
今後、対象拡大めざす
肝がん・肝硬変患者に対する支援は、なかなか前に進まなかったが、今回、大きな一歩を踏むことになる。実施主体は、各都道府県が担う。混乱のない円滑な実施へ、公明党の国、地方議員が連携して取り組んでいく。
ウイルス性肝炎は、放置すれば「慢性肝炎→肝硬変→肝がん」という経過をたどる。肝がんの発症を防ぐには、早期治療が必要になる。
先行する自治体では既に、慢性肝炎も含めた医療費を助成している。国では、まず今回の助成を滞りなく実施した上で、患者団体などの声を聞きながら、対象拡充もめざしたい。
公明新聞 2018年11月24日 付け