「10万円給付」で閣議決定

「10万円給付」で閣議決定 

政府挙げて早期実施へ/事業規模117兆円新経済対策
■8.9兆円増額の20年度補正予算案

 政府は20日夕の臨時閣議で、全国全ての人々に対して1人当たり10万円を一律給付する「特別定額給付金(仮称)」を盛り込んだ、新たな新型コロナウイルス感染症緊急経済対策と、必要経費を計上した2020年度補正予算案を決定した。同予算案の歳出総額は25兆6914億円で、今月7日決定の予算案から約8兆8800億円の増額。歳出増は赤字国債の追加発行で賄う。緊急経済対策の事業規模も108・2兆円から117・1兆円に拡大した。同予算案は27日に国会に提出される予定で早期成立をめざす。


 政府は当初、世帯主の収入減少を条件に1世帯当たり30万円を給付するとしていたが、現下の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、外出自粛など人と人との接触を最大限削減する必要があるとして、1人当たり10万円の一律給付を実施する支援策に変更した。

 閣議決定に先立ち、政府は同日午前、首相官邸で政府・与党政策懇談会を開催。安倍晋三首相は「全ての国民の皆さまが厳しい状況に置かれている。長期戦も予想される中で、国民と共に、この難局を乗り越えていくため、一律10万円の給付を行うこととした。緊急経済対策と今年度補正予算案に所要の変更を行う」と説明。「(給付金が)一日も早く皆さまの手元に届くよう、自治体や関係機関と協力し、政府を挙げて全力で取り組む」と訴えた。

 懇談会終了後、公明党の山口那津男代表は記者団に対し、「新型コロナの克服に向け、国民が結束しなければならない」と述べた上で、「政治がその先頭に立ち、国民の苦しみ、悩みを受けて立つという決意で一致して進んでいくことが極めて重要だ」と強調。10万円給付の早期実施に総力を挙げる考えを示した。

 公明党政務調査会(石田祝稔会長)は同日午後、衆院第2議員会館で全体会議を開き、新たな緊急経済対策の内容について政府から報告を受けるとともに、20年度補正予算案に関して説明を受け了承。その後、開かれた与党政策責任者会議でも了承された。 
公明新聞 2020/04/21 1面 掲載