教育への投資/少子高齢社会への備えにも重要

国づくりは人づくりから。日本の未来を切り開くには、教育に投資することが不可欠である。

日本学生支援機構は、今年度スタートした給付型奨学金について、2502人を採用した。私立大学に通う下宿生には、月額4万円が給付される。公明党がリードして実現させた返済不要な奨学金制度が、ついに動き出した。
 

給付型奨学金は来年度から本格実施され、対象者は約2万人に増える見込み。公明党は今回の衆院選で、給付額や対象枠の拡充を訴えている。家庭の経済状況にかかわらず大学へ進学できる環境を整備していきたい。

 

次代を担う子どもの育成に投資することがなぜ重要なのか。教育の機会均等が必要なことに加え、個人の能力や技術を高めることは、イノベーション(技術革新)を生み出すなど国の発展にも大きく寄与する。少子高齢化が進む日本であれば、その必要性は、なおさらであろう。
 

しかし、わが国の教育投資は国際的に見ても決して十分とはいえない。
 

日本の国内総生産(GDP)に占める教育への公的支出割合は3・2%と、経済協力開発機構(OECD)加盟国の比較できる34カ国中で最下位だ。また、日本は幼児教育や大学教育で家計負担の割合が各国より高い。
 

このため、公明党は衆院選重点政策で、消費税率引き上げの増収分の使い道を見直し、幼児教育の無償化や給付型奨学金の拡充などに充てることを主張している。
 

国際競争力の観点からも教育への投資が欠かせない。英科学誌ネイチャーが今年、世界の主要科学誌に掲載された日本の論文数が激減し、「日本の科学技術は失速している」と警鐘を鳴らしたことは記憶に新しい。
 

今後も自然科学分野で日本が優位な立場を保つには、基礎研究への一層の支援が急がれよう。そのためには、科学技術振興費の拡充や、大学・研究機関への支援を強化する必要がある。
 

公明党は、教育政策の“本家”である。義務教育の教科書無償配布など、半世紀にわたる実績がある。衆院選に勝利し、教育への投資に全力を挙げる決意だ。


公明新聞  2017年10月19日付け