無電柱化推進法が先月に成立し、施行された。同法は議員立法で公明党が推進。電線の地下埋設を国の主導で促し、台風や地震で電柱が倒れて避難者や緊急車両の通行を妨げることを未然に防ぐとともに、2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、競技施設周辺の良好な景観づくりや歩道の安全向上をめざす。

 無電柱化は、ロンドンやパリなどの都市で100%実施されている。これに対し、日本では東京23区で7%にとどまるなど取り組みが著しく遅れ、逆に毎年約7万本のペースで電柱が増え続けている。推進法は、電柱の規制強化が狙い。道路の建設や改修時に電力会社などの事業者が既存の電柱・電線を撤去するとともに、電柱・電線を新設しないよう求めている。さらに、国のほか、都道府県や市区町村に、無電柱化に向けた推進計画の策定を求めており、全国規模での取り組みを加速させる。
 一方で課題もある。無電柱化で電線を地中に埋めるコストが、電柱設置よりも約10〜20倍かかる点だ。埋設にかかる費用は国や自治体、電力会社などが負担することになるが、推進法では、コスト圧縮に向け、電線を小型の箱に収納して埋設する方法などの普及を進めながら、官民連携で技術開発を促進。政府には、必要な財政・税制上の措置を求めることとした。
 無電柱化の推進に対する地方自治体の関心は高い。全国282の自治体首長が参加する「無電柱化を推進する市区町村長の会」の吉田信解会長(埼玉県本庄市長)は「無電柱化を考えている市区町村にとって、推進法成立は何よりの朗報。今後、全国各地で無電柱化の流れが加速していくことを心から願っている」と歓迎。また、同会の大城一郎副会長(愛媛県八幡浜市長)は、「災害に強い、安全・安心な街づくりが進む」と防災対策の向上に期待を込める。
 公明党は、東日本大震災で約5万6000本以上の電柱が倒壊し、避難や救助に支障をきたした点などを教訓に、「防災・減災ニューディール」を提唱する中で、無電柱化を強力に推進。国会質問や地方議会での質問で無電柱化の必要性を強く訴えながら、昨年12月の超党派による無電柱化推進法成立に尽力した。


公明新聞   2017年1月17日  付け