無年金者救済法の成立!

受給資格10年に短縮
対象は64万人 公明主張で前倒し!


公的年金の受給資格を得るのに必要な加入期間(受給資格期間)を25年から10年に短縮する無年金者対策について、施行日を「消費税率10%への引き上げ時」から「来年8月1日」に前倒しする改正年金機能強化法(無年金者救済法)が、16日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。


これにより、約64万人が新たに年金の受給資格を取得する。受給資格期間の短縮には、将来にわたって無年金となる人を大幅に減らす効果も期待できる。

公的年金は、支給すべき理由が生じた翌月分から給付が始まる。このため、新たな対象者には、まず来年10月に同9月分が支給され、以降は偶数月に2カ月分が一括支給される。年金額は加入期間に応じて決まる。自営業者らが加入する国民年金の場合、現在は保険料を40年間納めると年金は月額で約6万5000円だが、10年間では4分の1の約1万6200円となる。

年金を受け取るには、対象者が自身で請求手続きを行う必要がある。新たに受給対象になると見込まれる人に対しては、日本年金機構が来年2月下旬ごろから同7月上旬にかけて順次、請求手続きの書類を郵送する予定だ。

受給資格期間の短縮は、公明党の強い主張を受けて社会保障と税の一体改革に盛り込まれ、消費税率10%への引き上げと同時に実施することが決まっていた。しかし、来年4月に予定されていた税率引き上げの2年半延期に伴い、2019年10月までの実施延期が懸念されていた。

そこで公明党は、今年6月に発表した参院選重点政策で「無年金者対策の推進」を明記。同月に開かれた党首討論会でも山口那津男代表が、アベノミクスの効果がまだ及んでいない高齢者などへの政策として「無年金者対策を望む声は大きい」と訴え、安倍晋三首相が「最大限努力したい」と答えていた。

こうした取り組みの結果、政府は8月に閣議決定した経済対策で、受給資格期間の短縮を「17年度中に確実に実施できるようにする」との方針を明示。施行日を前倒しする改正案を臨時国会に提出していた。

公明新聞  平成28年11月17日 付け