障がい者スポーツの祭典・パラリンピックの父とされるルートヴィヒ・グットマンが残した言葉だ。

ハンディを乗り越えて人間の可能性に挑む姿は、多くの人に勇気や希望を与えてくれる。


 リオデジャネイロ・パラリンピックが開幕した。日本から参加する132選手には、思う存分活躍してほしい。同時に、4年後の東京パラリンピックに向けて障がい者スポーツの魅力を伝え、裾野を広げる好機にもしたい。
 障がい者スポーツは、障がい部位の機能回復や健康増進に加え、他者との関わりによって日常生活を豊かにするなど、その効果は大きい。
 ところが、実際にスポーツに励む障がい者は一部に限られている。一般成人で週1回以上スポーツを行う人は約40%なのに対し、成人障がい者は約18%にとどまる。
 原因の一つとされるのが施設面の課題だ。日本パラリンピアンズ協会によると、パラリンピック代表選手の2割が障がいを理由に運動施設の利用を断られたり、条件を付けられたりしていた。トップ選手でさえこうした状況だから、一般の障がい者はさらに厳しい環境に違いない。
 車いすや義足によって体育館の床が傷付く恐れや、視覚・知的障がい者のスポーツでは、負傷時のフォローが難しいことが理由のようだが、自治体など施設管理者と利用者側が協議を重ね、障がい者に門戸を開く道筋を見いだせないものか。
 また、障がい者専用の公共スポーツ施設として「障害者スポーツセンター」があるが、全国で114カ所(2013年現在)にとどまり、利便性の悪い施設や老朽化に直面している施設も多いという。同センターの増設や改修も課題の一つだろう。
 併せて、障がい者スポーツを後押しする人材も育成したい。日本障がい者スポーツ協会が公認する「障がい者スポーツ指導員」は、全国に約2万2000人おり、20年までに3万人に増やす目標を掲げている。資格の周知や研修の充実など、支援が必要だ。
 多くの障がい者がスポーツを楽しめる環境づくりへ弾みをつけたい。


             公明新聞     2016年9月9日  付け