竹谷とし子代表代行　代表質問

　参院は４日の本会議で、石破茂首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行った。公明党の竹谷とし子代表代行は「足元の暮らしに万全を期すことも政治の責務だ」と強調。物価高対策について、低所得世帯向け給付金の迅速な支給を行うとともに、重点支援地方交付金を追加措置し、地域の実情に応じた対策の充実を強く求めた。また若者・女性の所得向上、健康支援や気候変動対策の強化も訴えた。


　【政治改革】竹谷代表代行は、政治資金規正法の再改正に加えて「（公職選挙法違反の罪で）当選無効となった国会議員の歳費返納の義務付けを行うべきだ」と訴えた。石破首相は「可能な限り早期の実現に向けて議論を加速させる」と答えた。

　【物価高対応】竹谷代表代行は、低所得世帯向けの給付金や中間層を含む幅広い生活者への支援策を講じる必要性を強調。迅速な給付へマイナンバーカードを活用するなど地方自治体の事務負担の軽減を求めた。また、寒冷地での灯油代支援など地域の実情に応じた柔軟な対策が必要だとして、重点支援地方交付金を追加措置し「必要な人に十分な支援策が届くようにすべきだ」と訴えた。

　【観光立国の推進】竹谷代表代行は、観光客のニーズが体験活動にお金を使う「コト消費」に移行していると指摘。コト消費への支援を求めるとともに、地方誘客の促進や宿泊業の担い手確保などを要請した。中野洋昌国土交通相（公明党）は「日本全体の成長へとつながるよう全力で取り組む」と応じた。

■リスキリング、健康支援など若者や女性活躍後押し

　【若者・女性活躍】竹谷代表代行は、若者や女性の所得向上に向け「リスキリング（学び直し）や経済的支援が必要だ」と強調。男女間賃金格差の是正や、あらゆる分野の意思決定の場への女性参画拡大を要請するとともに、生涯にわたる健康支援などを求めた。

　【避難所の環境改善】竹谷代表代行は、能登半島地震での教訓を踏まえ、携帯・簡易トイレの備蓄のほか、トイレトレーラーやトイレカーの配備が進むよう支援すべきだと主張。女性や子どもの視点に立った避難所の運営改善も求めた。

　【単身高齢者支援】竹谷代表代行は、高齢単身世帯の増加を見据え、医療・介護の在宅サービスを充実させることが重要だと指摘。訪問介護の人材不足が深刻だとして、職員の賃上げと業務の負担軽減を訴えた。

　【闇バイト対策】竹谷代表代行は、ネット上の不審な求人募集の即時削除など「サイバーパトロール体制の高度化を」と力説した。石破首相は、警察官の増員や装備の高度化を進め、人工知能（ＡＩ）技術も活用した対策を強化すると応じた。

　【気候変動問題】竹谷代表代行は、気候変動による負担を将来世代に残さないためにも脱炭素化を加速させるべきだと強調。２０３０年から先の温室効果ガス排出削減目標について、産業革命前からの気温上昇を１・５度に抑えるとした「パリ協定」の目標と整合させるよう求めた。石破首相は「年内に案を取りまとめ、わが国の道筋を示したい」と答えた。