家賃支援急げ !
事業継続へ重層的に/首相、スピード感持って実現/与党が政府に提言
自民、公明の与党両党は8日、首相官邸で安倍晋三首相に会い、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で賃料支払いが困難になっているテナントの事業継続支援を求める提言を手渡した。安倍首相は「(対策は)スピード感が大切だ。提言をもとに、政府として全力で取り組んでいきたい」と述べた。公明党からは北側一雄副代表、石田祝稔政務調査会長、岡本三成衆院議員が出席した。
提言では、テナントの事業を継続させるため、賃料負担の軽減に重点を置き、給付金の実施や自治体への交付金拡充など支援策を重層的に展開するよう求めている。
具体的には、政府系や民間の金融機関による無利子・無担保融資の迅速な実行と共に、家賃補助に特化した「特別家賃支援給付金」の創設を主張。すでに実施されている「持続化給付金」の仕組みを活用し、1カ月の売り上げが前年同月比で50%以上減少した中堅・中小企業、小規模事業者や個人事業主などを対象に、支払う家賃の3分の2相当を半年分、支給するよう要望した。給付額の上限は中堅・中小企業、小規模事業者が月50万円、個人事業主が同25万円。
また、独自で賃料支援策を実施する自治体への支援として、2020年度補正予算に盛り込まれた「地方創生臨時交付金」を拡充するよう明記。事業継続に向けてオーナー側やテナント側にさまざまな措置を講じている自治体が、地域の特色を踏まえてきめ細かに独自支援を実施できるような財政支援を訴えた。
提言ではさらに、
テナントとオーナー間の賃貸借契約が維持され、賃料支払いの減額交渉などが適切に行われる環境整備に政府が取り組むよう要請。
また金融機関に対して、事業者の既往債務の減免や返済猶予などの条件変更、新規融資に迅速かつ柔軟に対応するよう求めた。
北側副代表は、自治体独自の賃料支援策について、「地域の特性に応じた措置で、今後とも必要だ」との認識を表明。その上で地方創生臨時交付金について、「使い道は自治体の自由で使い勝手が良い。事業者の事業継続を応援する財源になると思う」と述べた。
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